イギリス生まれでスキャットの女王とも称される女性ヴォーカリスト、ピアニストのバーバラ・ムーアが残した初リーダーアルバム傑作です。ピアノの弾き語りで得意の清涼感のある伸びやかなスキャットとヴォィスを聴くことができます。冒頭のWork Outはレアグルーヴ感溢れるもの。彼女をサポートするのはレイ・スウィンフィールド(fl,as)、ピート・マクガーク(b)、バリー・モーガン(ds)というベテラン勢。自作曲以外にもHere’s That Rainy Day、Cry Me A River、I Didn’t Know What Time It Wasといったスタンダードナンバーを取り上げており、お洒落でエレガントなヴォーカルだけでなく軽妙にスウィングする味わい深いピアノタッチを披露。コンガとフルートが効いたボッサOn A Cloudy Afternoonは心地よい寛ぎに浸れます。EMR EM 1031 LP stereo reissue オリジナルはUK盤で1967年リリースですが本盤は2002年の国内再発盤です。ヨーロッパ流のフリップバック式ジャケットは良好で、盤はとても綺麗で擦り傷などは目視できませんが多少細かなジリ、チリノイズを感じます。高音質でほぼ問題なく聴くことができますが少しでも気にする方はご遠慮ください。オリジナル盤はかつて入手困難な希少盤として知られたもので内容抜群でお薦めします。